
より道のススメ | 墨田・浅草編
「浅草きびだんご あづま」
VOLUME.3
アングローバル社のスタッフが、自身の勤務地や、
住んでいる地域の素敵なスポットを紹介する連載「より道のススメ」。
墨田・浅草編を担当するのは、MHL中目黒の店長を務める天野文絵さん。
彼女にとってこのエリアは、子どものときから今も生活の拠点を置く地元です。
古き良き下町としての魅力を残しつつ、観光地として変化を続け、
日本全国、さらには外国人のかたも受け入れてきた墨田・浅草の、
個性豊かなお店やスポットを紹介していきます。
「私、のれんの向こう側にいたんです」。雷門の大提灯に向かう仲見世通りにある「浅草きびだんご あづま」の列に並びながら、天野さんはそう教えてくれた。「ここは思い出がつまった場所です。アングローバルに就職する前に、ここでアルバイトをしていました」。お店では、臨場感のある実演販売で茹でたてのきびだんごを年中無休で販売している。あたたかく「いらっしゃい」と声をかける和装のスタッフさんに、天野さんは、ほころんだ笑顔で挨拶を返すのだった。

1人前は5本。ほんのりと甘く、じんわりと温かい団子は、ぺろりと食べるのにちょうどいいサイズ。串にささっていて、片手で持てるサイズの紙袋がつくから気軽に食べられるのも魅力だ。時はさかのぼって江戸時代にも、ここ仲見世で実際に売られて、愛されていたきびだんごを再現しているのだという。
「他のアルバイトではできないような、唯一無二の体験ができました。お正月や三社祭など、多くの人が訪れるシーズンだけでなく、年間を通して、世界各国のさまざまな人と触れ合えたこと、また、一緒に働く仲間や、周囲でともに頑張る下町の人情に触れることができたこと。そうした接客の経験は、今でも大切な思い出になっています」。

きびだんごのおともに、冬季は温かい甘酒、夏季には冷やし抹茶を販売している。品のある甘さのきな粉の風味は、寒い季節に体をあたためてくれる甘酒とも、さっぱり、すっきりの抹茶とも相性は抜群。仲見世は食べ歩きが禁止されているので、お店のわきにあるイートインスペースで、通りの賑わいを感じながら食べるのがおすすめとのこと。

「きびだんごの、ヘルシーさも気に入っています」。団子に練りこまれている「きび」は栄養価が高い穀物なので、シンプルな和菓子でありながら健康的なのがなにかと嬉しいポイント。クセのない味で、友人へのお土産にもってこいのテイクアウトは、もちろん、自宅用としても楽しめる。まったりとした冬の午後に濃いめの緑茶を淹れて、落ち着く部屋で茹でたてを食べる至福を味ってみたい。

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