牛嶋神社と隅田川
#LOCAL

より道のススメ | 墨田・浅草編

牛嶋神社と隅田川

VOLUME.4

住んでいる地域の素敵なスポットを紹介する連載「より道のススメ」。
墨田・浅草編を担当するのは、MHL中目黒の店長を務める天野文絵さん。
彼女にとってこのエリアは、子どものときから今も生活の拠点を置く地元です。
古き良き下町としての魅力を残しつつ、観光地として変化を続け、
日本全国、さらには外国人のかたも受け入れてきた墨田・浅草の、
個性豊かなお店やスポットを紹介していきます。

Text by Fumie Amano (ANGLOBAL)
Photography by Hiroyuki Takenouchi
Edit by Yoshikatsu Yamato(kontakt)

正月になると必ずお参りするのが「牛嶋神社」です。初詣にかぎらず、散歩をするとき、ついつい立ち寄りたくなってしまうのは、そこにただよう澄んだ空気に、シャキッとしてリフレッシュができるからかもしれません。地元にある神社との関係はなんだか不思議なもので、年を重ねるごとに愛着が育っている気がします。

なんど足を運んでいても、その風格にはっとするのが「三ツ鳥居(みつとりい)」です。大小の鳥居が組み合わさっているようなデザインは、全国的にも珍しいつくりだそう。ここをくぐると、背筋がしぜんに伸びるような気持ちになります。

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さて、今年は丑年です。この神社とっては、特別な1年がはじまりました。というのも、平安時代からあるこの神社にとても縁が深いのが、「牛」なんですね。12年かけて干支の周期が巡ってくるたびに少しずつデザインを変えて奉製される「牛のお守り」は、とても可愛らしい焼き物で、どんな角度から見てもまるみのあるシルエットで癒されます。

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また、境内には、「狛犬」ならぬ「狛牛」が、大きな鳥居とは別の神社の入り口にいらっしゃいます。まったりと可愛らしいイメージのある牛ですが、こちらの狛牛は、ハンサムというか、精悍な目つきをしていますよね。

神社のなかには、狛犬もいます。参拝なさったときは、ぜひ見比べてみてください。彫刻としてのデザインの違いに注目してみると楽しいかもしれません。そして、神社から眺められるスカイツリーも、私はとても気に入っている風景のひとつです。現代と昔が共存した隅田・浅草の魅力が、ぎゅっと凝縮された景色だと感じられるんですよね。

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朱色のよだれかけをしている「撫牛(なでうし)」は、見る人の心を落ち着かせるような佇まい。撫でた箇所の病気がなおるという言い伝えがあり、身体だけでなく、心の不調も治るというので、おかげさまで健康な私も、参拝のたび、ついつい熱心に撫でてしまいます(笑)。

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牛嶋神社の澄んだ空気に気持ちがととのったら、ぜひ、隅田川沿いを歩いてみてください。神社のある墨田区は、隅田川をはさんで向かい合っている浅草とくらべ、人の行き来がそれほど多くないエリアです。だからなのか、どこかスローで、ゆるやかな時間が流れている気がします。

ユニークな専門店や飲食店が連なり、人情味のあるコミュニティが育ち、魅力がぎゅっとつまった下町もまた魅力的である一方で、隅田川や、そこにかかる橋がつくる、ダイナミックですこーんと抜けのいい景色も、このエリアの素敵なポイントです。船を目で追ったり、音を立てて橋をわたる電車に気をとられたり。ひんやりと澄み渡った空気が似合う隅田川のほとりや、「牛嶋神社」を自分のペースで散歩するのは、自分の大切なリフレッシュタイムになっています。

  
  • 牛嶋神社

    東京都墨田区向島1-4-5

    都営浅草線「本所吾妻橋駅」徒歩3

    TEL 03-3622-0973

  • 天野文絵

    下町生まれ下町育ちの生粋の江戸っ子。煎餅が大好きで趣味は街歩き。最近の日課はストレッチすることで、朝は体が軽くなり今日も頑張ろうという気持ちになる。近所の散歩はそれまで通ったことのない道を歩いて、新しい発見や気になるお店に出会うのが楽しい。仕事で心がけていることは平常心を保つこと、前向きでいること。最近の関心は環境問題。