時を重ねて、藍を建てる 藍染工房「壺草苑」とMHL.がつくる、やさしい色の服
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時を重ねて、藍を建てる

藍染工房「壺草苑」とMHL.がつくる、やさしい色の服

自然の独特な色合いを追求してきたMHL.と、
天然藍にこだわる藍染工房「壺草苑」。
その両者によるものづくりが、2021年春夏シーズンに発表されました。
先日に開催されたMHL.代官山店での特別展時の様子を、
同店につとめる栗村枝里子さんが、レポートします。

Text by Eriko Kurimura
Photography by Daisaku Kikuchi

有色の古代綿を活かした「COLOURED COTTON」シリーズや、染め直すことで商品を蘇らせる「OVERDYE PRODUCT」など、MHL.はものづくりを通して環境問題に取り組んでいます。

この2021春夏シーズンには、化学薬品を使用しない藍染めを施したアイテムを展開。国産のオーガニックコットンを使用し、ミリタリーやワークというキーワードをコンセプトに内包するMHL.らしい、機能的でタフなシャツと、色と素材が活きるカジュアルでシンプルなカットソーを作りました。

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染色をお願いしたのは、東京都青海市に藍染工房を構える「壺草苑(こそうえん)」。藍染めが日常着として広まった江戸時代に栄えた、伝統的な製法「天然藍灰汁醗酵建て(てんねんあいあく はっこうだて)」にこだわる、大正8年創業の老舗の染め屋です。

天然藍灰汁醗酵建ては、化学的なものをいっさい添加しないため、人にも環境にも優しいのが特徴。しかし、明治時代に合成染料や安価な染料が用いられるようになると、手間のかかる伝統的な藍染は衰退していき、この製法で作られる製品は、今ではほんの一握りとなっているそうです。

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「蓼藍(たであい)」の葉っぱを栽培してから、藍染めの原料となる「蒅(すくも)」になるまで約1年、その蒅を染め液にするまで約1週間~10日。その後、理想の色になるまで何度もなんども染色の工程を繰り返します。

大変な手間と時間を要しますが、色落ちもしにくく、抗菌、UVカット、防虫・防臭効果まであるという、良いこと尽くしの素材。さらに、使い終わった染液は肥料として畑に撒くことができるという、まさに循環するものづくりです。

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染める回数によって濃淡を調節

壺草苑が手間暇をかけて天然の藍染めにこだわる理由は、何といってもその色味。重ねるほどに赤みを帯びる藍色には、神秘的な深さを感じることができます。それは古くから「ジャパンブルー」と謳われ、世界を魅了する所以でもあります。またMHL.にとっては、着るほどにゆっくりと変化していく天然染めならではの表情も魅力。美しい色合いだけでなく、時間をかけて育てる楽しみや、藍を身にまとったときの「こころよさ」まで味わうことができます。

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ブルーのアイテムで統一された展示の時のようす(現在は終了しています)

この夏、とても好評だった藍染めシリーズ。2022年の春には素材とデザインを新たに加えて展開予定です。ぜひ楽しみにお待ちください。

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  • 壺草苑

    1919年創業の藍染工房。環境にも人にもやさしい伝統的な手法である「天然藍灰汁醗酵建て(てんねんあいあく はっこうだて)」を受け継ぎ、無垢で美しい「藍の色」を作り続けている。