#and wander#HIKING CLUB

街を発ち、野山を越えて

and wander HIKING CLUBという活動 ー 遊びと学び、ときどきご飯

VOLUME.1

山や自然を楽しむきっかけ作りを続ける「and wander HIKIING CLUB」。
その活動はいつどのようにして始まり、どんな道を歩き、どこに向かうのでしょうか。
この連載では、四季の山々で開催される活動の様子を、ご紹介していきたいと思います。
第1回はand wanderデザイナーの池内さん、森さん、ベテラン営業の立石さんを取材。
その誕生から、今日までを振り返り、これからの展望についてお話を聞きました。

Interview & Text by Kento Tada (and wander)
Edit by Soya Oikawa (TSI)

and wanderに携わるようになって、グッと山や自然が身近になったように思います。そして今は「and wander HIKING CLUB」の担当の1人として、いつも頭の中は企画のアイデアのことでいっぱいです。どうしたらもっとこの活動をたのしく成長させられるかと……。

そんな中、ふと気がついたことがありました。それは登山と同じように、はじめの一歩、が肝心だということ。ならば、まずはこの活動の入り口を知ることから始めようと思い、ブランド創業者のデザイナー池内さん、森さん、営業の立石さんにインタビューをさせてもらいました。

—ハイキングクラブの設立についてのエピソードを教えて下さい。

 もともとは、ブランドを立ち上げて初期の頃に展示会やプレスの貸出を池内くんと2人でやっていて、スタイリストさんや、バイヤーさんなどから「山に連れて行って」と声を掛けられることがよくあり、半分プライベートで行くようになったというのが始まりです。その後、2017年に初の直営店「MT.」をオープンして、取引先や友達だけじゃなく、お客さんにも参加してほしいと思い、店頭で募集をかけるようになりました。

池内 MT.のオープンとともにお客さんとダイレクトに繋がる機会が出来てくるから、ショップでお買い物するだけじゃなく、一緒になにか行動したりしたいな、という思いもあって。

立石 特になにかを目標にしたわけじゃなく、2(池内、森)が遊んでいたことに名前をつけて、それを徐々に仕事として整えていったという感じですね。僕はand wanderに加わる前の職でもいろんな人と山遊びをしていたので、ハイキングクラブとして形になっていくのはごく自然な流れでした。

—これまでの活動大変だったことや面白いエピソドなどはありますか。

立石 第1回目の石老山(せきろうさん)の開催では、雑誌とテレビの取材と、ふたつ重なっていましたね。総勢30~40人のすごい人数でした()

池内 あの時はカメラが回って、喋りながら歩いて、足元を見ていいのか、どこを向いて歩いたらいいのかわからなくて()

ー第1回目はなぜ石老山に?

立石 相模湖の近くで山と湖と船も楽しめるコースですが、山の難易度や、公共の交通機関でのアクセスなど色んなバランスを考慮して決めました。

 関東近郊から早朝に集まって、日帰りで帰れるという条件のなかで見つけないといけないから、案外難しかったですよね。

—そうだったんですね。

立石 石老山で印象的だったのは、湖のほとりに下山してくると、ドラム缶が置いてあって、それをカンカンカン!と叩くと対岸のキャンプ場のおじさんがその音を聞きつけて、相模湖駅がある近くの岸まで船で連れて行ってくれました()。数年前の台風の影響で、そのコースは今は通行止になってしまっているようなのですが。

—残念。僕もカンカンしてみたかったです。

立石 それから冬の高尾山では、大きな寸胴鍋を担いで登って20人分ぐらいの豚汁を作ったことや、夏の山にすいかを持っていったことも思い出深いです。今年の4月に登った丹沢の大山ではパドラーズコーヒーの豆でハンドドリップコーヒーを淹れました。本当は「山頂で豆を挽く」という楽しみも予定していたのですが、スタッフが良かれと思いあらかじめ挽いた粉を手配してしまいました()

—ハイキングだけではない活動や魅力も?

 「HIKING CLUB with moderate」では「moderate(モデラート)」さんという三重県のアウトドアショップと合同での開催だったのですが、一緒に登山するだけでなく、以前私がアメリカの北ヨセミテをトレイルしたときの様子や、装備したものをスライドショーで紹介しました。

池内 お客さんに新しいウェアやギアを見てもらったり、逆に知らないウェアやギアを教えてもらったり、実感も交えたデモンストレーションの場になるようなこともありますね。また新鮮な遊び方を教えてもらうこともあり、参加者同士での「情報交換」も魅力のひとつだと思います。

立石 地方のショップさんとの合同開催は、全国のand wanderファンの方々とデザイナーやスタッフとの交流の場としても大変好評です。今年は「moderate」と名古屋ラシック店との合同開催ハイキングも準備中です。

—立石さんにとってハイキングクラブはどんなところが魅力だと思いますか?

立石 たとえばバックパックの適切な容量の男女での違いや、自然環境の中でのウェアのレイヤリングのことなど、お客さんのふとした言葉や感想などに、販売についての色々なヒントが散らばっているので、それが営業目線で聞いていてとても参考になり面白いですね。

—僕は店頭で、お客さんから過去のハイキングクラブのお話などを聞くことがあるのですが、みなさんとても楽しそうにお話してくださるのが印象的です。また参加者へプレゼントしたピンバッジやワッペンを、ザックや帽子に付けている姿を見るととても嬉しく思います。

 それは嬉しいですね。and wanderのウェアの魅力は店頭だけでは伝わりづらい部分もあるので、素材の機能や軽さ、ポケットの位置といったディテールなどは、お客さんと一緒に山へ行くと、実体験を通して伝えることができます。自分たちの山遊びがベースになってデザインが生まれたり改良したりするので、ハイキングクラブを通じて、お客さんと遊びを共有したいですね。

—ハイキングクラブは今後どのように?

立石 今はビギナー向けの開催が多いけど、山岳ガイドが同行するような中・上級者向けのイベントも開催したいですね。

 ガイドの有無も含めて、いろんな形やレベルがあっていいと思っています。先日もグランフロント大阪店では沢登りのイベントを開催しましたし、テント泊や雪山登山がしたいな、という声が募ればそういうイベントを企画するなど、各店舗のスタッフが興味あることや、好きでやりたいことに挑戦して、みんなで成長していけるといいと思います。

池内 日帰りだけでなく、泊まりなどで時間を長く過ごせるとお互いのことをより知れると思うし、ブランドのことも伝わるので山小屋泊やテント泊、キャンプイベントなどを増やしていきたいですよね。

立石 丸の内店では市民ランナーでもある小山店長が企画しているランニングイベントも控えていますし、ハイキングにとらわれずショップ企画としても、遊びをどんどん発案していけるといいですね。

—今日はありがとうございました。新しいチャレンジをどんどんして「and wander HIKING CLUB」を盛り上げていきます!

次回は今年行われた青森・八甲田山の回のようすをお届けします。

and wander HIKING CLUBの活動史

2017年4月 神奈川・丹沢・石老山

2017年8月 東京・奥多摩・御岳山

2018年9月 埼玉・奥武蔵・日和田山

2018年10with moderate 三重・鈴鹿・朝明渓谷、水晶岳

2018年11月 神奈川・丹沢・大野山

2019年1月 東京・八王子・高尾山

2019年4月 埼玉・奥武蔵・飯能アルプス

2019年6月 東京・奥多摩・高水三山

2019年9with la barba 長野・信越五岳・斑尾山

2019年10with moderate 山梨・天子山地・竜ヶ岳・遠足尾根

2021年4月 神奈川・丹沢・大山

2021年8月 青森・奥羽山脈・八甲田山

  • and wander HIKING CLUB

    2017年に初の直営店「MT. and wander」のオープンを機に発足。仲間やお客さんと一緒に山や自然を楽しむきっかけづくりを目的とし、デザイナーをはじめ、ブランド内のさまざまなスタッフも参加しながら有機的な活動を行なっている。

  • 多田健人

    2020年3月よりand wanderに参加。MIYASHITA PARK店に勤務しながら、HIKING CLUBの運営を担当。幼少期はボーイスカウトに所属し、大人になってからはバックパッカーとして東南アジアを旅した経験も。無類のコーヒー好きでハンドドリップコーヒーをアウトドアの環境で飲むのが至福のとき。熱狂的なベイスターズファン。