#LIFE#EARTH

種をまくように

リボンが結ぶ未来と、ものさしの発見

VOLUME.2

食材や衣服の産地のことだけではなく、
環境について、見聞きすることが増えてきました。
気づいていたけれど、何となくむずかしそうで、
いつもどこか他人ごとのようにしてしまっていた環境問題。
この連載では、僕がSUNSPEL表参道店につとめる傍ら見つけた、
身近にある環境を思う「種」を紹介していきます。
第2回は、SUNSPELによるものづくりを通じた環境への心くばりと、
ある「ものさし」にまつわるお話です。

Text by Daisuke Shioiri (SUNSPEL)

いくつもの顔を持つリボン

このカラフルなリボンをご存じですか? ひょっとしたら色や質感でお気づきかもしれませんが、こちらはSUNSPELで定番の「Q82」と呼ばれる発色の良い、なめらかなコットン生地の端切れを加工したものなのです。

もともとはカットソー用の生地ですが、イギリスの工場でTシャツの身頃や袖として裁断された各パーツを袋に詰めて保管する際に、普段なら捨てられてしまう端切れから作ったリボンを、その袋の口を縛る目的で再利用しています。

さらにこのリボン、ショップではギフト包装をするときにショッピングバックをさりげなく彩るアクセントの役目も担っています。オレンジとブルーの2色はランダムにお渡ししていますが、クールな印象ならブルーがうれしいかな、笑顔が素敵だからオレンジにしよう。などと、スタッフが勝手ながらそのチョイスを楽しみ、みなさんのギフトへほんの少しですが気持ちを添えています。とてもかわいいリボンなので「実は端切れなんですよ」と、僕はいつも自慢げに結び付けてしまいます(笑)。

こちらは以前、スタッフのみんなが僕の誕生日プレゼントにつけてくれたブルーのリボンです。捨てられず、今でも愛用ポーチのジッパーにつけてアクセサリーにして、とても気に入っています。

元はTシャツの素材が、こんなふうに姿や用途を変えていくのはとてもおもしろく、残反から生まれたちいさな「種」が大切に使われたり、手渡されていく様子に思いを巡らせる。そんなロマンチックな効果もあるリボンなんです ()

心も喜ぶ気持ちのいい服

それではショップに並ぶ商品はどうでしょうか。この数年のうちにオーガニックコットンを使用したTシャツやトラウザー、バッグなどが登場したほか、海に捨てられたペットボトルなどからアップサイクルした「Seaqual®」という素材のスイムウェアや、再生ポリエステルが用いられたコートなど、コットンやウールといった天然素材を得意としているSUNSPELにとっての新しい挑戦が続いています。

環境に配慮した素材の服というのは、肌に触れる物理的な心地よさに加えて、着る人の「心」も気持ちよくさせる力があると思います。きっと長く着るほどにその実感も深まっていくはず。みなさんが手にする品々が、カラダだけでなく心も満足するよう願って、僕たちは今日も試行錯誤しています。

環境という「ものさし」

自身がはたらくブランドの環境への取り組みをのぞいてみて、何かを選ぶときに考える「ものさし」のような存在にも気が付きました。

たとえばショッピング。何か必要があってものを購入する時、みなさんはどんなことを考えますか? 価格や、生産地、品質、ながく使えるかどうかなど、基準は人それぞれだと思いますが、そのブランドや商品、販売している企業を応援することになる。という側面もあると思うのです。

品物を手にしたときに「これはどこから来て、どんな素材で、どんな人たちが売っているのかな」と意識を巡らしてみると、それまで知らなかった生産背景や、新たな素材との出会いや、ブランドの環境への想いなど、色々なところに環境に配慮した「種」を見つけることができます。

そうした意識が芽生えてからというもの、商品そのものよりも、生産者の気配や生産背景をしっかり気にしている僕がいます。連載の2回目になるこの記事が、みなさんの「ものさし」に「環境」というあたらしいキーワードが加えられることに思いを馳せつつ、また次の回も楽しみにお待ち頂けると嬉しいです。

  • 塩入大輔

    2016年入社。以来SUNSPEL一筋で現在は表参道店に勤務。坊主歴7年のアート好き。コロナ禍を機に環境問題に目覚め、ヴィーガンにシフト中の愛妻家。玄関にはなかなか上達せずに眠ったままのスケートボードがある。