心と体から、みたされる
#MARGARET HOWELL#HOUSEHOLD GOODS#Filling

かさねる、みたす、整える。

心と体から、みたされる

VOLUME.2

日々の暮らしの、ふとした瞬間、
お茶を淹れてひと休みする、つかの間のひととき。
今日と明日をつなぐ丁度いいリズムの合間には、
淡々と仕事をこなす名品たちの活躍の場があります。
連載「かさねる、みたす、整える。」では、
MARGARET HOWELL神南店につとめる田代呼子さんが、
実用することから感じ得た、ハウスホールドグッズの魅力をご紹介していきます。

Text by Coco Tashiro (MARGARET HOWELL)
Photography by Daisaku Kikuchi

開化堂 | 未来へつながる、伝統美。

手から離れた上ぶたが、スーッと静かに落ちていく数秒間、私はこの茶筒に夢中になってしまいます。

茶葉にとって天敵ともいえる湿気を防ぐために、茶筒には気密性が必要不可欠。開化堂の茶筒は、ふたと本体の継ぎ目を合わせると、ふたがそれ自体の重みだけで自然に落ちて閉まるように設計されています。それは創業から100年をこえる歴史において、手作りにこだわって受け継いできた伝統の職人技です。

もうひとつの魅力は、素材が変化していく過程を楽しめるということ。マーガレット・ハウエルでは、「銅」と「ブリキ」の素材を取り扱っています。どちらの素材も空気や肌に触れることで酸化し、時間とともに変色していきます。

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TEA 120g ¥16,500

TEA 200g ¥17,600

COFFEE 200g ¥24,200

*価格は各素材共通

左の2点が新品。中央と右の4点は、すべてスタッフの愛用品です。

愛用年数は、ブリキ・中央が約4年、ブリキ・右が約13年、銅・中央が約1年、銅・右が約11年です。

この茶筒をきれいに経年変化させるにはコツがあります。それは、毎日手のひらで撫でてあげること。冗談のようですがホントなんです。毎日たくさん撫でてあげてください。なにかと忙しない毎日ですが、そのくらいの時間を楽しめるような心の余裕を持ちたいものですね。

開化堂 六代目の八木隆裕さんは、しばしばマーガレット・ハウエル神南店にお越しになっては、いろいろな話をしてくださいます。その中でも伝統的な茶筒を通じた未来の話が印象に残っています。

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いま、私の茶筒の中にはルイボスティーの茶葉(マーガレットハウエル・カフェで販売しています)がたっぷりと入っています。オススメの淹れ方は手軽な「水出し」です。

この茶筒はまさしく一生モノです。ふたがなめらかに落ちなくなってしまったときなどは、修理することも可能です。普段の生活の中で、撫でて、愛でて、構えずに自然体で使ってみてください。

朝日焼 | 心を満たす、茶器の工夫。

京都の宇治にある「朝日焼」。開窯は慶長年間(約400年前)という長い歴史を持つ老舗の窯元です。時代のニーズに合わせながら、しっかりと伝統を守りつづけてきました。

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POT ¥19,800 ONLINE STORE

CUP (DARK GREEN) ¥8,800 ONLINE STORE

CUP (YELLOW / APPLE GREEN) ¥8,800

一見、直線的なデザインのカップですが、飲み口の内側がなだらかに湾曲しており、飲み物を飲む際の口の形が考慮されています。また中が白いのは、お茶の色を分かりやすくするため。どちらも使う人に美味しいお茶を飲んでもらうための細やかな工夫です。

写真奥のダークグリーンのカップは、オリジナルの大きさから5%ほどコンパクトに。マーガレットが工房に足を運び、誰の手にも馴染みやすいようにとオーダーしました。

白いポットは、朝日焼とロンドンの茶葉専門店「Postcard Teas」(カフェの紅茶はPostcard Teasから送られてきます)とで作り上げたもの。ふたの上部にある渦巻きが朝日焼らしく、その上に指の腹をのせるのも心地がいいです。

2017年には、神南店にて朝日焼の16代目当主・松林豊斎さんをお招きしてトークイベントを開催したこともあります。当日は松林さんが登り窯で作陶された特別な鹿背(かせ)茶盌を展示していました。そこには、厳かな、確かな存在感がありました。

お時間に余裕のある方は、ぜひ京都・宇治の窯元にも足を運んでみてください。事前予約にて陶芸体験も可能です。以前、伺った際に、私は湯呑をつくってみました。

fresco | 光る色、いろいろ。

それまで私は「無色透明にこそ、ガラスの魅力が詰まっている」と思い込んでいました。ガラスの儚さを感じられる気がする。光を通し、空間を遮らないことが良いと。しかしその固定観念は、フレスコのガラスと出会ってあっけなく覆されたのです。

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BOWL SMALL ¥8,250 ONLINE STORE

PLATE ¥23,100 ONLINE STORE

フレスコの色味はさりげなく、光を通すガラスの性質を活かしているなぁと思えました。一方では、光を通しにくい色もあります。白っぽく霧がかかったような薄いブルーや黒のガラス。ほんのりとした光の感じはフレスコならでは。「黒のガラスって珍しい…」と、初めてこのプレートを見たときからずっと引き込まれ続けています。

今回の撮影では、神南店のカフェスタッフに、特別にサラダを盛り付けてもらいました。黒いプレートの上に、色鮮やかな食材が並ぶと、コントラストが非常にきれいです。隣の小さいボウルは、光を受け、テーブルクロスにはかすかに色づいた影や模様が映っています。

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BOWL LARGE ¥15,400 ONLINE STORE

VASE ¥22,000 ONLINE STORE

チューリップで満たされたベースは、上に行くほど口が狭まっていて、お花を活ける際のバランスが取りやすいです。見た目の容量は大きめのベースですが、普段、花や枝ものを少ない本数で飾りたいときにも使い勝手が良いですよ。

洗練された佇まいのフレスコのガラス。おなじ商品であってもよく見比べてみると、厚みや色の濃淡には個体差があります。小さいボウルなどを複数選ばれる際は、おなじ色の中から小さな違いを楽しむのもおすすめです。

ぜひお手にとって、光の受け方をみてください。

みなさまも特別な一点と出会えますように。

これまでに開かれたトークイベントのようすも併せてどうぞ。

朝日焼 16代目当主 松林豊斎さん2017

fresco代表・ガラス工芸作家 辻野剛さん2019

*記載価格はすべて税込です。

  
  • 田代呼子

    2014年入社。6歳からバレエを習い始め、大学ではコンテンポラリーダンスにのめり込むなど。社会人になるまで「踊ること」にほとんどのエネルギーを注ぐ。ソフィア・コッポラとローカル映画館を愛し、「下高井戸シネマ」や「飯田橋ギンレイホール」がお気に入り。