#MARGARET HOWELL#MHL#SHIRT

輝きを継ぐものたち

私と僕をみちびくMARGARET HOWELLとMHL.のシャツ

シャツは無数のつながりで作られています。
素材とデザイン、環境や品質といった「秩序」と、
身を守り、拠って立つ世界を示す「実用」や「表現」。
各々が関係し合い、交差することで織り成されるシャツはまるで、
星々をつなぐことで描かれる星座のよう。
今回は、ある星空に現れたシャツと運命的に出会い、
それぞれの道へと導かれた2人のスタッフを招き、
長年愛用してきたシャツとの赤裸々な思い出や、
仕事を通じて得た、深い学びなどについてお話を聞きました。

Edit by Soya Oikawa (TSI)

今回お話を聞かせてくれたのはMARGARET HOWELL丸の内店で店長をつとめる藤森あさかさんと、MHL.MARGARET HOWELLのセールスを経験してきた隅倉健仁さん。まずはお二人が持参してくれた、愛用しているシャツとの出会いから伺いました。

藤森さんは2型のシャツを持ってきてくれましたね。

藤森 ドットの襟の方のシャツは2019年の春夏コレクションで出会いました。はじめは襟が大きくてキャッチ―な印象だったのですが、実際に手にとってみたら身頃の素材感のコントラストがすごくいいなと。もともとシャツが好きで、まだ持っていないタイプだったっていうのと、このシャンブレー地の柔らかい触り心地が気に入りました。

ストライプのシャツも素敵です。

藤森 こちらは「WIDE PJ STRIPE」という2020年の春夏シーズンのシャツです。生地のハリ感と、まるでパジャマのようにちょっとゆるっとしている感じがすごく好きです。袖のカフスのところだけ切り替えで無地になってたりとか、そういうちょっとしたデザインが、シンプルなんですけどかわいいなって。

2枚とも淡いブルーですね。

藤森 実はたまたまなんです(笑)。普段はシンプルなモノトーンが多いのですが、今回の「ARCHIVE FABRIC」の企画でたまたま持っているシャツと同じ生地がフォーカスされたので、「おお!」って嬉しく思って持ってきました。

もともとシャツ好きとのことですが。

藤森 はい。もともと「シャツ」という服自体が大好きで、雑誌でMARGARET HOWELLのシャツを見たのがきっかけで入社しました(笑)。

そうだったんですね。なぜそんなにシャツが?

藤森 Tシャツもそうですけど、シンプルなシャツを一枚でかっこよく着たいっていうのがずっと夢だったというか。男性でもシャツをかっこよく一枚だけで着ている人は素敵だなって思っていたので、男女の境なく強いあこがれがありました。

そして学生だった頃、ある雑誌でMARGARET HOWELLの特集を見たんです。そこには白いシャツがバーッてたくさん並んでいました。今でもよく覚えているんですけど、それがめちゃくちゃ衝撃的で、調べたらシャツから始まっているブランドだと知り、シンクロじゃないですけど、自分の大切なところと通じるものを感じたってのが、入社したいと思った一番のきっかけでした。

隅倉さんは、今日はどんなシャツを持ってきてくれたのですか。

隅倉 入社してすぐの頃に購入した、2018年の秋冬シーズンのシャツです。当初からMARGARET HOWELLMHL.のシャツには、「シンプルで上質」っていうイメージを持っていたのですが、一方でこういうタフな感じっていうのが、すごくかっこいいなって思いました。たくさん着て、ガンガン洗って、経年変化を楽しみたいなと。その前からデニムのジャケットが好きで良く着ていたところもあったので、そういう好きな感覚に近いシャツだなって感じたのを覚えています。

生地の風合いもいいですね。

隅倉 リネンが混ざった「コットンリネン」という素材です。少しドライな感じもあって春先から秋口までずっと着ていて、何度も洗っているので柔らかさも増してきました。またそうしていくうちに濃淡のグラデーションの変化を楽しんできた絶妙なグレーもお気に入りのポイントですね。

入社したての頃に購入したシャツということは、やはり思い入れも特別ですか?

隅倉 夏の入社だったので最初のころは薄手のシャツを着ていたのですが、だんだん仕事が慣れてきた頃に秋冬シーズンになって、自分なりに余裕も出てきたので、普段着としても着るつもりで購入したシャツだったんです。以来、仕事にもプライベートにもどちらにも馴染んでくれるというか、自分らしくいられる服だなって、良く着ています。

藤森さんはシャツの生地感やディテールに、隅倉さんはそのタフさや経年変化に魅力を感じているのですね。

隅倉 実はこのシャツを着てたら、上司から「かっこいいね」って言われたんです。スタッフも多いので普段の仕事の中では言われたことなかったんですけど、おそらく初めて「いいね、隅倉くん」って言ってもらえたのがこのシャツだったんですよ。

「自分のスタイル」ってほどじゃないですけど、そういうのが出せたのかなって嬉しかった記憶があります。そういうこともあって、毎週のように着ていました(笑)。会社に着ていきたいというか、この「味」をみんなに見てもらいたいって(笑)。そのおかげか、今では「いい味出てきたね」ってよく言ってもらえます。

藤森さんの「シャツを一枚で着るかっこ良さ」へのあこがれに対して、隅倉さんにとってはシャツはどういう存在ですか。

隅倉 そうですね。MHL.のシャツは普段着としてもガンガン着ているのですけど、MARGARET HOWELLのシャツはまだ開拓中です。体型に合わせるのもそうですし、トラウザーやシューズとのバランスが、カットソーとかブルゾンとか他のアイテム以上に出るんだなと思いました。

また年齢を重ねるほどにシャツをもっときれいに着れるようになりたいなって模索しているところもあるのですが、ちょっとデザイン性があったり素材感が強かったりするものの方が、今は取り入れやすいです。繊細で柔らかい素材っていうのも挑戦したいんですけど、数はまだそんなに持っていません。

なめらかで上質なコットンのプレーンシャツとかには、まだちょっとレベルアップが必要だと。

隅倉 はい。気持ちの上では、普段着というよりは仕事で頑張りたいときとか、着るシーンを選びたいなっていうのはありますね。そういう上質なシャツはちゃんと着ることを意識して着たいんですけど、その「気持ち」が大事だなって思うんですよ。MARGARET HOWELLはシャツから始まったブランドなので、仕事としても携わる以上、そういうはじまりの意識を忘れないように。ということもあるんですけど……。

なるほど、まじめですね。

隅倉 ちょうど前期からMARGARET HOWELLのセールス担当になって、より素材のこととか、一枚でさっと着られるようなスタイルとか勉強したいですし、そういう大人になりたいっていう意味では、今いい経験しているなって思うんです。

MARGARET HOWELL WOMEN'S
LEFT : WIDE PJ STRIPE COTTON ¥34,100
RIGHT : FINE END ON END ¥31,900

藤森さんにとっては、シャツはかなりお馴染みというか、自分らしさの軸のようなところにあるものだと思いますが、気分の移り変わりみたいなのはないのでしょうか?

藤森 軸は変わらないと思います。もともと大きく着られるメンズのシャツや、本当にシンプルなレギュラーカラーがベースとして好きです。考えてみると結構、間口が狭いというか、装飾的なシャツよりは静かにそこに居るような、シックで似たようなものばかり選んでいる気がします。

その微差というか、肌理の細かさみたいなところが、自分の中では楽しい……?

藤森 そうですね(笑)。気分という意味ではあまり波はないのですが、一方ではシーズンを象徴するような新しいシャツは「シャツ好きとして取り入れたい」という使命感というか記念感が強い。以前にリバティ柄のシャツが出た時も、記念で買いました。もう、好きだから(笑)。

MARGARET HOWELL MEN'S
LEFT : SIMPLE COTTON CHECK ¥31,900
RIGHT : PLAIN COMPACT COTTON ¥30,800

今年で入社して13年目ということで、これまでたくさんのシーズンとコレクションを見てきたわけですよね。そんなにも長い間、ひとつのブランドのものづくりを見続けてきたスタッフっていうのはすごく貴重な存在だと思うのですが、そんな藤森さんの中で、やっぱり、他と比べてMARGARET HOWELLのシャツって「ここが違うぞ」と感じるところはありますか?

藤森 いやもう、絶対に「着心地」です。生地の触り心地と身体へのフィット感が全然違います。日常、いろんな動きというか動作をしている中で、ちょっとでも「違和感」を感じると結局着なくなってしまうのですが、MARGARET HOWELLのシャツは本当に着やすいです。昔のシャツも今のシャツも、それはずっと変わらないですね。

2人に聞いてみたいのですが、MARGARET HOWELLMHL.のシャツはどんなことを教えてくれたと思いますか。

隅倉 シャツって春とか秋とか、シーズンの始まりに着るようなイメージがあると思うんです。僕自身も寒い時にアウターの中に着るならカットソーでいいなって思っていたんですけど、アウターを脱いでしまうとちょっと寂しいですよね。でもこのシャツは一枚でも様になって、季節をまたいで長く着られるなって感じたんです。

ただ着るんじゃなく、ちゃんとデザインも主張もできている。限られたシーンやスタイルではなくて、季節とかコーディネートもいろいろ幅が広く使えるんだなって。そういうところが、このシャツと出会って教わったところです。

MHL. MEN'S
LEFT : COTTON LINEN CHAMBRAY ¥25,300
RIGHT : MATT COTTON CHECK ¥19,800

それまでに体験したことのない汎用性を感じたんですね。

隅倉 そうですね。それはすごく感じました。それこそ「タフ」っていうところがそういう意味でつながるのかなって。僕はそれまでシャツって1年や2年で買い替えちゃうっていうような消費のしかたをしてたんですけども、もっと長くどんどん着ていきたいなって思わせてくれるシャツでした。

もちろん仕事で自分が担当していたからかもしれないですけど、ちゃんと着ていくと、ほつれたりとかするわけでもなく、むしろ最初よりも後からの方が着やすくなって好きになっているんですよ。そういう長く愛用することの大切さみたいなことも教わったと思っています。

藤森さんはどうですか。

藤森 私はベースの好みがすごく狭い一方で、モノトーン以外の色ものとか、記念としてチャレンジすることもよくあるんです。チャレンジではありつつも、新しいシーズンのコレクションをお客様に見てほしいし、デザインとしてもう出てこないかもしれないからって感じで選んでいました。ところがそれがしばらく経ってみると、10年後とかにもっと素敵に着られるといいなって、今すごく思っています。

お家にはこれまでの歴代のシャツたちがいっぱいあるんですけど、サイクルのようなものがあって、数年間ぜんぜん着ていなかったシャツが何年かたってから急に「あ、これちょっと着ようかな」って思ったり。オーバーサイズを過度にやりすぎないみたいなことと一緒で、時代性はありつつも普遍的だから、それが何年かたった時でも、変わらず自分らしく着られるみたいなことを、教わったっていうか。

MHL. WOMEN'S
LEFT : COMPACT COTTON POPLIN ¥22,000
RIGHT : MICRO STRIPE COTTON ¥22,000

ひとつひとつのチャレンジだったのだけど、それが継続して積み重なることで、また別の気分で戻ってくる。で、戻った時にはそれはもうチャレンジではなくなっていて、ワクワクする期待になってる。

藤森 はい、ようやくちょっとだけ着こなせるようになったかも、みたいな(笑)。

隅倉 僕も早くそういうふうになりたいです(笑)。

まだまだ楽しみは続きそうですね。こうしてずっとお話を聞いていたいですが、そろそろ時間がきてしまいました。

藤森・隅倉 ありがとうございました。

今回、インタビューの中で藤森さんと隅倉さんが各々に着用し、語ってくれているシャツはMARGARET HOWELLのARCHIVE FABRIC」とMHL.の「STOCK FABRIC」というシリーズからのアイテムでした。それらは同ブランドが環境への負荷を考慮してものづくりを続けるために、シーズンを越えて行なっている取り組みであり、ほかにもいくつかのアイテムに用いられていますので、ぜひ店頭で探してみてください。みなさまと素敵な出会いがありますように。

  • 藤森あさか

    長野県出身。2009年入社。2年前よりMARGARET HOWELL丸の内店にて店長をつとめる。朝は目覚めのコーヒー、夜はビールで晩酌が日々のルーティーン。シャツとパイル地と辛い食べ物に目がなく、休日はお家で過ごすタイプ。

  • 隅倉健仁

    熊本県出身。2018年MHL.のセールスとして入社し、現在はMARGARET HOWELLのセールスを担当中。ノンアルコールビールと犬が大好きで、ベランダで育てているオリーブの木がもうすぐ実を付けるのを楽しみにしている。