私の身体を動かす音楽 音楽にはじまり。
#MUSIC#STYLE

音楽にはじまり。

私の身体を動かす音楽

VOLUME.8

「あなたの好きな音楽を教えてください」。
詳しい人も、またそれが人並みの関心だったとしても、
ふと思い起こせば、音楽は人生のさまざまなことと結びついているものだと思います。
音楽と失恋。音楽と洋服。音楽とー。
第8回はMARGARET HOWELL 神南店につとめる田代呼子さん。
聴けば思わず身体が動いてしまうという音楽の魅力についてのお話です。

Interview by Soya Oikawa (ANGLOBAL)
Illustration by Natsumi Kachi
Edit by Runa Anzai (kontakt)

子どものころから就職するまでずっとダンスをしてきた私にとって「音楽=体が反応するもの」という感覚があり、また日常の動作すべてがダンスの一部であるとも思っています。拍手の時の手の動きや、歩いたり走ったりすることまで。

これまで刺激を受けたミュージシャンにはMichael JacksonBruno Mars、そして作曲家の久石譲さんがいます。なんだか久石譲さんだけジャンルが違うように思われるかもしれませんが、すべて「身体が反応する」という点で共通しているのです。コンテンポラリーダンスに夢中になっていた大学生の頃、卒業公演の作品を作る際に久石譲さんの『Madness』という曲に影響を受けました。聴いていると思わず身体が反応してしまうような疾走感がこの曲の魅力です。そんな「自然と身体が動いてしまう」という嬉しい感覚が私にとっての音楽を聴く楽しさなのかもしれません。映画『バードマン』を観たときは、作中で流れているパーカッションのBGMがダンスと相性がよさそうだなとワクワクしたのを覚えています。

https://youtu.be/LBZcTfYG2ds

一方でまた“動かない”ということもダンスの一部なのだとあらためて感動したのが1992年にルーマニアの首都ブカレストで行われたMichael Jacksonの『Live In Bucharest : The Dangerous Tour』でのパフォーマンスです。大歓声の中、激しい閃光と共にステージ下からジャンプで華々しく登場したマイケルは仁王立ちのまま約2分間まったく動かない。熱狂がピークに達した観客はそんな動かないマイケルに向かって絶叫を繰り返しながら、誰もが次の動きに期待している。しかしその長い静止ののちマイケルはただ首をパッと振るだけ。その後ゆっくりと時間をかけてサングラスを外し、一曲目を踊りだすのです。静止と首のひと振り。この間(ま)だけで、数万もの観客をこんなにも魅了できるなんて!私はこの2分間がたまらなく好きです。

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 ステージといえば1970年代のQUEENのライブでFreddie Mercuryがしていた、いわゆる「白鳥ルック」が大好きです。あのたっぷりとしたボリュームのプリーツのトップスにフレアパンツ。もうキュンキュンしまくりのスタイルです。キュンとするのはファッションを楽しむうえでとても大切だと思うのです。普段のファッションに関してもなるべく自分が好きだと思えるものを手に取るようにしています。客観的に似合うかどうかということだけでなく、ちゃんと好きかどうかしっかり主観的な目線で選ぶことも大事だと思うのです。

音楽でもファッションでも、身体や心の反応にゆだねて自分らしさを貫いて表現している人を見ると「マネできないなぁ、かっこいいなぁ!」とつい夢中になってしまいます。何事も楽しんでいる人は強いです。

  
  • 田代呼子

    2014年入社。6歳からバレエを習いはじめ大学ではコンテンポラリーダンスにのめり込むなど、社会人になるまで踊ることにほとんどのエネルギーを注ぐ。最近引越して間もないベランダでパセリとバジルを(収穫しながら)育てるのが毎日の楽しみ。