バイクと音楽。心躍らせる一体感。 音楽にはじまり。
#BIKE#ROAD

音楽にはじまり。

バイクと音楽。心躍らせる一体感。

VOLUME.9

「あなたの好きな音楽を教えてください。」
詳しい人も、またそれが人並みな関心だったとしても、
ふと思い起こせば、音楽は人生のさまざまなことと結びついているものだと思います。
音楽と失恋。音楽と洋服。音楽と―。
第9回はMARGARET HOWELL 神戸大丸メンズ店にて店長を務める田阪祐臣さん。
幼少のころから父の背中につかまって乗っていたバイクと音楽との意外な共通点。
五感を開放して一体化する音楽の魅力についてのお話です。

Interview by Soya Oikawa (ANGLOBAL)
Illustration by Hitoshi Kuroki
Edit by Runa Anzai (kontakt)

ものごころついたころから父が運転するバイクの後ろによく乗っていたこともあり、大人になってからもそのままバイクが趣味になってしまった僕にとって、映画『Easy Rider』とその冒頭で流れるSteppenwolfの『Born to Be Wild』は、聴けば必ずテンションが上がってしまう名曲です。いつまでも色あせることのないアメリカン・ニューシネマとしてのストーリーももちろん好きなのですが、昨年の結婚式で入場曲として使用して以来、僕にとってさらに特別な曲になりました。イントロが流れてくるとまるで実際にバイクに乗っているようにワクワクしてきます。

僕の感覚では、バイクは“ノル”までにちょっとした時間がかかるんです。走り始めはエンジンを温めるつもりでスピードはあまり出しません。でも10分くらいかけてウォーミングアップしてあげるとだんだん調子が出てきます。そこからはただ身を任せるだけでよくて、乗っていることを忘れてしまうくらい自然な一体感が得られます。エンジンやマフラーの振動、ヘルメット越しに風を切る音、流れていく景色やにおい、そういったものすべてを五感で感じて走るのがとても楽しいです。

そのエンジンが少しずつ身体化していくような一体感は音楽にも通じていて、好きな曲のイントロから始まってAメロ、Bメロ、サビへと向かう高揚感は、気が付けばその音楽と一体化して、まるで自分がライブ会場に居るような感覚になり、エンジンが温まったバイクに“ノッタ”時の感覚ととても似ていると思います。

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またこれまでにはHONDAVT250 スパーダというネイキッドバイクにはじまり、祖父のスーパーカブ90を父と一緒にレストア(修復)して乗ったり、社会人になってからはCBR600RRというレーサーレプリカタイプに乗ってきました。どちらかというとスタイリッシュでスピード感を感じさせてくれるようなデザインのバイクが好きです。

ファッションとしての好みでいえば、よく洋画に出てくるような本格的なレースタイプのデザインのバイクに、カジュアルな格好で乗っているのがたまらなくかっこいいなと思っていました。“速さ”や“強さ”にこだわってデザインされたバイクと乗る人の服装とをコーディネート的な感覚で楽しんでいたのだと思います。いつか歳を重ねたら往年の映画俳優のようにBarbourのジャケットにLevi’sのジーンズを合わせてオールドバイクを乗りこなしていたいですね。

  
  • 田阪祐臣

    兵庫県加古川市出身。2011年アングローバル入社。MARGARET HOWELL神戸大丸メンズ店店長。父親の影響を大きく受けて成長し、バイク、カメラ、自転車、映画などを趣味としている。最近は登山やキャンプに夢中になり昨年富士山で日の出を見てこれまでの世界観が変わる。エヴァンゲリオンの謎解きも好物。